税込経理と税抜経理の違い

税込経理
メリット
①経理処理方法が簡便である。
②売上金額を大きく見せる事ができる。
③租税特別措置法に規定されている固定資産の購入に係る
特別償却や税額控除の取得価額の判定金額を税込金額で判定できるので有利。
例)特定機械装置等の特別償却・税額控除
機械装置 160万円以上
工具・器具・備品 120万円以上
ソフトウェア 70万円以上

デメリット
①それぞれの勘定科目に消費税が含まれているため、納税・還付等の消費税の状況が
一目で把握できない。
②交際費の損金不算入による加算額が税込金額により計上されるので不利。
③少額減価償却資産の判定金額および一括償却資産の判定金額が税込金額での判定となる。
④償却資産税の課税標準が大きくなり、税額も増加するため不利となる。

税抜経理
メリット
①賃借対照表に、仮払・仮受消費税が計上されるため、
月次にて消費税の納税額が把握する事ができる。
②損益計算書の売上高、仕入高、経費の勘定科目が本体価格で計上されるため
適正な利益を把握できる。
③少額減価償却資産の判定金額、及び一括償却資産の判定金額での判定と
なるため、税込経理よりも有利。
④利益予測の策定が容易にできる。

デメリット
①経理処理方法が複雑となる。
※現在では会計ソフトの機能により負担はあまり無いように思われる。

 

ポイント

例)分かりやすく、売上が10,800円(税込)、仕入が6,480円(税込)
その他、建物1,080(税込)を購入した時の、税込と税抜の違い。

【税込経理のPL】                【税抜経理のPL】
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※消費税 = 売上(800円)-仕入(480円)-建物(80円) =240円(納付分)
違いのポイントは、建物の消費税を耐用年数に応じて、経費化していく所にある。
この年の実際の支払消費税は、税抜も税込も240円で変わりはないが、
PL上、税込経理の方は、建物の消費税分が建物勘定に含まれているので、全て経費になってない状態。これを耐用年数によって費用化していくので、1年目は税込経理の方が当期利益が多くなり、納める法人税も多くなる。


ここからはそれぞれの仕訳方法を解説

税抜経理
【納税の場合】
仮受消費税×× / 仮受消費税××
.                  未払消費税××

【還付の場合】
仮受消費税×× / 仮払消費税××
未収入金××

税抜経理
【納税の場合】原則:決算年度には損金にせず、支払時に損金処理するケース
●決算時●
仕訳なし
●納付時●
租税公課×× / 現金××

【納税の場合】例外:決算年度に損金とするケース
●決算時●
租税公課×× / 未払消費税××
●納付時●
未払消費税×× / 現金××

【還付の場合】原則:決算年度に益金とせず、受取時に益金処理するケース
●決算時●
仕訳なし
●還付時●
現金×× / 雑収入××

【還付の場合】例外:決算年度に益金とするケース
●決算時●
未収入金×× / 雑収入××
●還付時●
現金×× / 未収入金××

~まとめ~
例えば、多額の設備投資をして、消費税の還付を受ける場合は、税抜経理方式の方がいい。
なぜなら、税込経理方式の場合は、還付金は雑収入(益金)で処理をするので、それに対して
税金(所得税又は法人税)がかかる、それに対応する設備投資の消費税分は耐用年数の
期間に応じて費用化されるので、雑収入分に対応する費用を回収するのが、かなり先になるから、これはもったいないという事です。